オーストラリアのワーホリを「もう1年」楽しみたい!
でも「ファームは体力的に不安」「自分に向いてないかも」と悩む人も多いです。
実はファーム以外でもセカンドビザは取れるんです。
特にホスピタリティ業界での申請が注目されています。
この記事では基本条件、申請方法、ファーム以外の仕事での取得、注意点まで、筆者の実体験を元に解説します。
オーストラリアセカンドビザとは?基本情報を理解しよう
オーストラリアのワーキングホリデービザ(サブクラス417)には、最大3年滞在できる仕組みがあります。最初の「ファーストビザ」を取得後、条件を満たせば「セカンドビザ」、さらに「サードビザ」まで延長可能です。
特にセカンドビザを取得することで、ワーホリ生活をもう1年続けられ、旅行や就労、語学勉強など自由度の高い滞在を満喫できます。
ただし、延長するには政府が定める「指定地域」「指定産業」での一定期間の就労が必要です。
ここでは、まず「セカンドビザとは何か」「その基本条件」をしっかり理解しておきましょう。
セカンドビザとは?目的と仕組み
オーストラリアのセカンドビザとは、「Working Holiday Visa (subclass 417)」の2回目取得を可能にする制度です。
この制度は、若者の国際交流促進と同時に、オーストラリアの地方地域や特定産業における労働力不足解消を目的として設計されています。
制度の目的
- 文化交流の促進: 異文化理解と国際親善の深化
- 地方経済の活性化: 人手不足に悩む地方地域への労働力提供
- 特定産業の支援: 農業、観光業など重要産業への人材供給
- 若者の成長機会: より長期間の海外体験による人材育成
セカンドビザの基本情報:期間・申請料・年齢制限
セカンドビザの基本的な条件は以下の通りです。
- 期間:最大12ヶ月間
- 申請料:670AUD(2025年7月時点)
- 年齢制限:18歳以上30歳以下(国によっては35歳まで可)
- パスポート要件:対象国のパスポートを保有していること(日本は対象国)
- 申請タイミング:ファーストビザ中、またはオーストラリア国外からでも申請可能
さらに、指定地域・職種での「3ヶ月間(88日相当)」の指定活動を証明する必要があります。
セカンドビザ取得に必要な要件
セカンドビザを申請するためには、以下の「指定活動」を完了している必要があります。
- 期間:3ヶ月(88日相当)の指定活動
- 地域:政府が定める「指定地域(Regional Australia)」
- 職種:農業、建設業、ホスピタリティなど多様(詳細は次で詳しく解説)
セカンドビザ対象仕事一覧
セカンドワーキングホリデービザを取得するには、政府が指定する「対象業種・職種」での就労が必要です。
ファーム(農業)のイメージが強いですが、実は建設業、鉱業、林業、観光業など幅広い分野が指定されています。
ここでは、主な指定業種と近年増加している観光業・ホスピタリティ業について詳しく解説します。
セカンドビザで指定されている主な業種
セカンドビザ取得の「指定活動(Specified Work)」は、主に以下のような業種で行う必要があります。
- 農業(ファームワーク):果物・野菜の収穫、剪定、包装など
- 畜産業:牧場での家畜や管理
- 林業:植林、伐採
- 漁業、真珠養殖
- 鉱業:鉱山での採掘作業
- 建設業:住宅やインフラの建設、道路工事など
新たに追加された観光業・ホスピタリティ業
そして近年、特に注目されているのが観光業・ホスピタリティ業でのセカンドビザ取得です。
COVID-19の影響を受けた観光業界の労働力不足を解決するため、特定の指定地域での観光・ホスピタリティ業が新たにセカンドビザ対象業種に追加されました。
ファームが不安な人でも、ホテルやレストラン、観光ツアー業務などで条件を満たせるチャンスがあります。
詳しくは以下で対象となる職種や仕事内容や注意点を解説します。
ホスピタリティでセカンドビザを取る方法
「ファームでの仕事はちょっと不安」そんな人にピッタリなのがホスピタリティ業でのセカンドビザ取得です。
ただし条件が細かく定められているため、事前の情報収集が重要です。
ここでは対象地域や具体的な職種、私が実際にホスピタリティの仕事をゲットするまでをシェアします。
▶︎どの都市が自分に合うかわからないという方はこちらの記事もチェックしてみてください!
ホスピタリティ業の指定地域と条件
まず最も大事なのが「働く地域が政府指定の対象地域に含まれているか」を確認することです。
ホスピタリティが指定活動として認められるのは、オーストラリア全土ではなく、地方や人手不足地域に限定されています。
- ノーザンテリトリー(NT)全域
- Remote and Very Remote Australia
- 州ごとに細かく指定された田舎地域の郵便番号
- 例:QLDの内陸部や北部、SAのアウトバック地域、WA北部など
▶︎詳しくはオーストラリア政府のサイトに対象の郵便番号が記載されているものをご確認ください。
同じ州でも対象の場所と対象ではない場所があります。
自分が働く予定の場所が政府が対象としている地域か郵便番号で確認しましょう。
セカンドビザ対象のホスピタリティ職種と仕事内容
ホスピタリティ業の指定活動として認められるのは、観光業を支えるサービス系の仕事です。
以下のような仕事内容が対象とされています。
対象となる仕事内容例(公式より抜粋)
- ホテル・ホステル・バックパッカー宿の受付、清掃、ハウスキーピング
- レストラン、カフェ、バーでの接客や調理補助
- 観光ツアーガイド、ドライバー(ツアーバスなど)
- ダイビングインストラクター、アウトドアアクティビティのガイド
- 観光案内所スタッフ
- イベント・エンターテイメント会場のサービススタッフ
- 旅行代理店やツーリストインフォメーションでの案内
指定活動に含まれない可能性が高い例
- コンビニ、スーパーなどの販売スタッフ
- ファストフードチェーン店勤務
- オフィスや一般住宅の清掃
- スクールバスの運転手(観光ツアーではない通常送迎)
要は「指定地域内」で「観光客向けに行うサービス業務」であることが必須条件です。
働く前に、勤務地の郵便番号が対象地域か、雇用主がセカンドビザの申請に必要な証明書類を出してくれるかを必ず確認しましょう。
▶︎詳しくはオーストラリア政府公式ページから対象となる業種をご確認ください。
【体験談】私がホスピタリティの仕事を見つけた実際の方法
実際に筆者は、ケアンズのホテルでハウスキーピング+レストランでウェイトレスとして働きました。
最終的に約3ヶ月を経てセカンドビザを取得しました。
ここでは、どんなふうに探して、どう採用を勝ち取ったか、私がやった具体的な方法を紹介します。
▶︎履歴書や面接対策などオーストラリアの失敗しない仕事探しを知りたい方はこちら
ホスピタリティ業での求人探し戦略
- 観光シーズン前を狙う:夏が繁忙期の地域なら春先に都市移動、探しはじめる
- 複数の場所に同時応募:選択肢を確保しておく
- 地域のFacebookコミュニティを活用:ローカル求人情報や紹介を得る
- 現地の人脈・紹介を大切にする:働いている人、シェアハウスのオーナー経由のチャンスも
実際に採用された具体的な方法
① レストランのウェイトレス
募集があるか分からないまま、思い切ってレジュメを持ってお店を訪ねました。
実際には募集はしていなかったのですが、たまたまマネージャーと話すチャンスがあり、履歴書を見てもらえたのが大きかったです。
その日のうちに面接とトライアルを受けて、即採用が決まりました。
「直接足を運ぶことで生まれるチャンス」を実感した経験です。
② ホテルのハウスキーピング
こちらはシェアハウスのオーナーの友人から紹介してもらい、面接へ進みました。
経験はゼロでしたが、「日本人スタッフは真面目」という評判のおかげで面接の機会を得られたと思います。
面接では「一人でスピーディーに仕事できる?」と聞かれ、強みを最大限アピールし、採用が決まりました。
紹介や信頼をきっかけに、面接で「適性」を具体的に伝えることが採用の決め手でした。
ホスピタリティ業界の採用競争の激しさ
当時、ホテルの求人応募は100件近くあったと聞きましたが、採用されたのは私を含め3人だけでした。
また、ホテルや観光客向けレストランでは、セカンドビザ取得に必要な3ヶ月で辞めてしまう人も多いため、入れ替わりが激しい職場も少なくありません。そのため、一度レジュメを配っていたお店でも、すぐに募集再開することもあるため、諦めずにタイミングを伺うことが重要です。
採用されるための重要ポイント「熱意を伝える」
3ヶ月だけ働きたい人も多いので、採用側は「真面目にやれるか」を重視されます。
だからこそ、面接で「真面目さ」「仕事への適性」をしっかり伝えることが大事です。
「適当にやる人も多い」という前提を理解して、誠実さをアピールすると差がつくでしょう。
セカンドビザ申請に必要な証拠書類の見方と管理法
オーストラリアで働く場合、ペイスリップ(給与明細)や雇用契約書などの書類はとても重要です。
申請時には「働いた証拠」が必須になるため、受け取った書類はしっかり保管しておきましょう。
ここでは、どんな書類をもらうべきか、ペイスリップの見方や保存のコツを解説します。
セカンドビザ申請のための証拠書類と必要な書類リスト
【自分で準備・保存するもの】
- パスポート
→ 有効期限内かチェックし、顔写真ページのコピーも用意。 - 銀行残高証明(5000ドル以上)
→ ネットバンキングのスクショやPDF保存がおすすめ。 - 申請費用:670AUD(2025年7月時点)
【雇用主から受け取るもの】
- ペイスリップ(給与明細)
勤務日数、時間数、時給、税額、雇用主情報(ABN)が記載されています。 - 雇用契約書
仕事内容、勤務条件、時給などを確認できる大事な書類。
申請時に「働いた証拠」「身分を証明するもの」がしっかりそろっていれば、審査もスムーズに進みます。
雇用主からの書類は必ず受け取り、自分でも記録や証明をしっかり管理しておくことが大事です。
ペイスリップ(給与明細)の重要なチェック項目
ペイスリップは雇用主から法的に発行が義務付けられている大事な書類です。
受け取ったら必ず以下のポイントをチェックしましょう。
下記は筆者の1週間ごとに発行されていたペイスリップです。

- 雇用主の名前とABN(オーストラリア事業者番号)が記載されているか
- 自分の名前、支払い日
- 勤務時間数・時給レートが正しいか
- 税金の控除額(Tax Withheld)が計算されているか
- Superannuation(年金積立)が正しく加算されているか
特にファームやカジュアル仕事では「現金払い」「記載漏れ」などトラブルも起こりやすいため、間違いや不明点があれば必ず雇用主に確認を。
証拠書類の保存方法とトラブルを防ぐためのコツ
証拠書類は必ずデータで保存するのがおすすめです。
- クラウド保存(Google Drive、Dropboxなど)で紛失防止
- ファイル名を整理して時系列に並べる
- 重要なものは複数バックアップを取る
私は「セカンドビザ用」でファイルを作り、そこにペイスリップや必要書類をまとめていました。
また、「ペイスリップを出してくれない」「現金払いで証拠がない」などのトラブルを防ぐためにも、最初の段階で雇用主に「ペイスリップが必要」とはっきり伝えておくのもポイントです。
セカンドビザ申請方法と承認プロセス
オーストラリアのセカンドワーキングホリデービザ(サブクラス417)の申請は、オンラインで完結できます。
ここでは、ImmiAccountを使った具体的な申請手順、書類をアップロードするときのポイント、そして申請から承認までのスケジュール感を解説します。
ImmiAccountでのセカンドビザ申請手順
オーストラリア政府の公式ポータル「ImmiAccount」でオンライン申請します。
① ImmiAccountを作成 / ログイン
- すでにアカウントがあればログイン、新規なら登録を完了。
② 新しい申請を開始(Apply for a visa)
- サブクラス417を選択。
③ 申請フォームの入力
- 個人情報(氏名、パスポート情報、連絡先など)を正確に入力。
- 滞在歴、ビザ条件を確認。
④ 必要書類をアップロード
- ペイスリップ、雇用証明、銀行残高証明、パスポートなど。
⑤ 申請費用の支払い
- クレジットカードでオンライン決済。
- 2025年7月時点で670ドル程度。
⑥提出(Submit)
- 申請が完了すると確認メールが届く。
ImmiAccountは途中保存も可能なので、書類を揃えながらゆっくり進めてもOKです。
書類アップロード時の注意点と確認事項
提出する書類は「自分の身分証明」と「働いた証拠」をしっかり示すことが大切です。
アップロード画面では【Evidence Type】という項目があり、何を証明する書類かを選ぶ必要があります。
「残高証明」「働いた証拠(ペイスリップ・雇用契約書)」「身分証明書」などから適切なカテゴリを選び、間違えないように慎重にアップロードしましょう。
以下は実際に私が提出した書類です。
私は週1回払いの仕事だったので、ペイスリップを合計16枚提出しました。
給与が2週に1回払いの人は、提出するペイスリップの枚数は減りますが、「支給日付から2週間分の勤務をカバーしている」ことがわかれば問題ありません。

・提出する画像で気をつけること
- スキャンの画質を確認
→ 文字が読めない・不鮮明だと再提出を求められることも。 - ファイル名を分かりやすく
→ 例:Payslip_2025_June.pdf、Passport.pdf など。 - 複数ファイルをまとめる必要があればPDF結合する
→ スマホアプリやPCソフトで簡単に結合可能。
セカンドビザ申請後の承認までのスケジュール
申請後は、まず『受領しました』という確認メールが届きます。
ステータスが「Received」になっています。

次に、現在のビザが切れる前にセカンドビザの審査が終わらなかった場合に備えて、Bridging Visa A(ブリッジングビザA)が発行されます。

そして最終的に、セカンドビザが受理されましたというメールと証明書が届きます。

申請後の審査期間は個人や時期によって差がありますが、だいたいの目安は以下の通りです。
- 最短で数日〜1週間程度で承認されるケース
- 平均的には2〜4週間程度が目安 📍筆者は2週間ぴったりでした。
- 不備や追加書類の要請があると1ヶ月以上かかることも
また、承認結果はImmiAccountのメッセージ欄やメールで通知されますが
不安な人は、こまめにImmiAccountをログインして進捗を確認するのがおすすめです。
セカンドビザのよくある質問と失敗しないコツ
申請の条件を読んでもわからない、これはどうすればいいの?などのよくある質問や注意点をまとめました。
セカンドビザ申請に関するよくある疑問と回答
以下は公式情報をもとに作成したQ&Aです。
必ず最新情報を確認してから申請を進めましょう。
▶︎オーストラリア政府公式サイトはこちら
Working Holiday Maker Program|Australia Government
勤務期間・日数に関する質問
Q. セカンドビザの「3ヶ月分」って具体的にどれくらい働くの?
A. 「3ヶ月分」とは最低88暦日間(calendar days)働くことです。暦日には週末や休みも含むので、フルタイムで週5日働いた場合でも、その週は7日分としてカウントできます。カジュアルなどの働き方は、実際にはフルタイム相当の勤務日数・シフトを満たす必要があります。
Q. 週5日働いたら7日分カウントできるの?
A. カウントできます。オーストラリアの規定は「暦日(calendar days)」ベースなので、週5日勤務+週2日休みでもその週は7暦日分として計算できます。これが「週末も含めた日数」で88日を達成する考え方で、これは最短で要件を満たす代表的な働き方ですが、個人の雇用条件や勤務形態によっては調整が必要です。
Q. 週5日働かない週はどうなる?
A. 週5日未満の勤務だと、フルタイム相当の日数が不足する計算になります。
その場合は、暦日換算で不足分を埋めるために期間を長くして日数を稼ぐ必要があります。
Q. 1日の労働時間が短いときは?
A. 1日の労働時間は、その業界や役割のフルタイム従業員が通常働く時間を基準にします。
筆者の場合は短時間(3時間など)勤務をカウントしていましたが、その代わり日数を多めに勤務していました。
雇用形態・複数就労に関する質問
Q. フルタイムじゃない働き方はダメなの?
A. いいえ、パートタイムやカジュアル、ピースワーク(歩合制)でもOKです。
ただし、フルタイムの人が通常こなす勤務日数・シフト数と同等になるように働く必要があります。
例えば週2〜3日勤務なら、7日分カウントされず、その分長い期間働いて88日以上に調整します。
Q. 仕事を複数分けてやってもいいの?
A. 同じビザの有効期間内であれば、複数の雇用主・複数の期間に分けてもOKです。
- 1つ目の仕事で2ヶ月分相当
- 2つ目の仕事で1ヶ月分相当 合計で3ヶ月分の要件を満たせば問題ありません。
セカンドビザ申請でよくある却下理由とその対策
申請で却下される主な理由は以下の通りです。
当てはまらないように準備をしっかり整えましょう。
- 証拠書類の不備や不足
→ ペイスリップの日付や地域指定が書かれていない。 - 指定地域外で働いた
→ 政府が定めたポストコードを必ず確認する。 - 必要な勤務期間を満たしていない
→ 88日間以上働いた証明が必須。 - 証拠がキャッシュ払いで残っていない
→ 銀行振込記録や雇用主からの書面証明が必要。 - スキャンが不鮮明
→ 文字が潰れている、ぼやけていると再提出要請や却下の原因。
何より「証拠をしっかりそろえる」ことが大事です。
雇用主任せにせず、自分で管理・確認を徹底しましょう。
自分に合った方法でセカンドビザを目指そう
ビザ申請って、何を準備すればいいのか、証拠は足りているのか、不安になることも多いですよね。
私自身も、情報を集めながら試行錯誤して準備を進めました。
でも、必要な条件やポイントを知っておけば、きっと大丈夫。
自分に合った働き方を選びながら、少しずつ条件をクリアしていけば、ちゃんと道は開けます。
焦らずに、でもコツコツと証拠をそろえて、準備を進めてみてください。
その経験もきっと、オーストラリアでの大切な思い出の一部になるはずです。
無理なく、自分のペースで、セカンドビザを目指していきましょう。
応援しています。
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